おにぎり屋での「働く」体験(中間的就労)
実際の職場の中で働きながら、働き方を学び、自分らしい働き方に出会う場所
仕事や学校をやめた時、行き場を失い孤立してしまうことがあります。
自分だけがダメだと責めたり、自信を失くしたり、家にひきこもっていたり、アルバイトを転々としたり、うまく人と関われなかったり…。
さまざまな生きづらさを感じている若者が、同じような思いをもつひとと出会える場所、弱音や本音を言える場所、自分らしく学び・成長できる場所を目指してい ます。ひきこもっているとかいないとか、働いているとかいないとか、そういうこ とは関係ありません。
わたしたちが普段感じている息苦しさや、日々暮らしている中での展望のみえなさ…。そんな「生きづらさ」の中で、若者たちが自分を大事にしながら、その人の人生を豊かにしていくことを支え、成長することを応援する場所です。
若者たちと「生きづらさ」について語ったことをまとめた冊子ができました。
当事者や家族、支援者や関係者に読んでいただきたい内容です。
ひきこもり、不登校、いじめ、発達障害、働くことが不安、コミュニケーションが苦手、居場所がない、将来の展望がみえない、「死にたい」、「消えたい」、孤独…
いまの社会にはいろいろな「生きづらさ」があって、みんななにかしらの「生きづらさ」を感じている気がします。そんななかでもこれはつらいなと思うのは、そういう思いを「自分だけがダメなんだ」「自分が変わればいいんだ」と、自分ひとりで抱えるしかないこと。思いを隠して、押し殺して、ひとりで耐えつづけるのはとても孤独です。
でも、そういう思いをしゃべってみたら、じつはみんな、似たようなことを思っているかもしれない。自分だけではなかった「生きづらさ」がみえてくれば、それをきっかけに、もっと「生きやすい」カタチを考えられるかもしれない。
社会を変えたいとかいう大層なものじゃないけれど、しゃべることで「生きづらさ」がなくなるわけじゃないけれど、この気持ちを知ってくれる人がいるだけで、すこし気持ちが楽になるんじゃないか。
そんなことを考えながらこの冊子をつくりました。(まえがきより)
ほんなら屋では、これまで様々な取り組みを行ってきました。
若者の「生きづらさ」に関する取り組みは、さまざまな形で全国にあります。でも、その多くは相談窓口や就労支援、または病気や障害などの専門的なケアが占めています。それはどれもとても大切な支援だけれど、仕事や学校を辞めた時に困るのは、その「行き場のなさ」ではないでしょうか。OMUSUBIに通う若者からも「家でひとりでいるといろいろと考えてしまってしんどくなる」「やることがなくてつらい」という声は、とても多く、そして切実です。
「行き場のなさ」とは、それはもう「生きていく場所」のなさと同じことだったりします。支援となるとどうしても、その人の特性とか成育歴とかその個人に焦点がいきやすいけれど、そもそも地域に行き場所がないという問題も一方であります。OMUSUBIでは、そういったかれらと向き合う支援ではなく、「生きづらさ」の中で日々もがきながら、時にゆれながら、この展望なんてさっぱりみえないけど、目の前の一日一日を過ごすかれらの日々を「共にすること」が大事なことだと考えています。そういう思いをもって働く場所・語る場所・遊ぶ場所、そして今年は地域とつながる場所をつくってきました。
所属をなくしてしまったときに、どんな状態にあっても行けるような場所が必要だと思います。それは本人が「困った」と自覚してからつながるような福祉的なケアに限定されたものではなく、弱音や愚痴を言えたり、共感してくれる人がいたり、日々の鬱々とした気持ちを忘れられるような楽しみがあったり、自分のペースで働けたり、趣味のことで交流できる場があったり、その人の学びや成長が感じられるような機会があったりする場所。いろいろな「生きづらさ」があって、不安定な働き方や生き方が増えている中で「こうすればよい」という正解らしきものは見当たりません。そんな中で、もがきながら・ゆらぎながら前に進もうとする若者の日々を支え、関わりの中でかれらの可能性や選択肢が増えていくような場所が必要です。
ほんなら屋の行っている取り組み(OMUSUBI・ほんなら堂)は、いまの制度では掴みきれない地域の困りごとを解決する活動です。さまざまな生きづらさがある中で、どんな状態にあっても「生きていける」「なんとかなるかも」と思えるようなつながりを感じられる場所をつくっていきたいと考えています。わたしたちといっしょに、そういう地域を実現する仲間になってください。
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